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「フサちゃんの言う通り厚かましい

「フサちゃんの言う通り厚かましい。三津が優しいからってつけ上がるんじゃないよ。」

 

 

桂も山縣の衣紋を掴んであっちへ行けと投げ捨てた。

 

 

「んふふ,どの口が言ってんだか。」

 

 

お前も三津の優しさに甘えてつけ上がってたやろがと文が笑顔で言い放った。

桂は仰る通りですと肩を落として膳の前に座った。

 

 

「ところで幾松は?」 https://www.easycorp.com.hk/en/notary

 

 

「幾松さんはゆっくりさせとる。昨日あれだけ馬鹿な男共の相手しちょるんやけぇ流石に今日は休んでもらった方がええかなって。私もフサちゃんもおるんやし。」

 

 

それはそうだと誰もが頷いた。三津はすぐに寝てしまったからよく分からないが多分かなり疲れたとは思う。

 

 

「三津さん体調大丈夫?まぁすぐ寝たけぇあんま呑んどらんけど。」

 

 

「大丈夫です!また武人さんのお膝お借りしたんですかね?いつもすみません。」

 

 

心配してくれる赤禰にごめんなさいごめんなさいと謝る三津を文が目を丸くして見ていた。

 

 

「本当に記憶ないんや。」

 

 

入江は赤禰に惚れかけた事が抜け落ちていて安堵した。昨日幾松の色仕掛けで相当飲まされた連中が多く,今日はなかなか食が進む者がいない。その中で高杉,伊藤,赤禰,入江に桂はいつも通りに箸を進めた。

 

 

「今日は体力つける為に山登るぞー。しっかり食えよー。」

 

 

「宴会の次の日にやる内容かよ。」

 

 

二日酔いの山縣は悪態をつきながら味噌汁を飲み干した。

 

 

「嫁ちゃん,味噌汁と漬物だけあとちょっとくれ……。」

 

 

「吐かないでくださいよ?」

 

 

三津は山縣に味噌汁のおかわりを渡しつつ,横目で美味しそうに味噌汁を飲む桂を見てこっそり微笑んだ。

 

 

「三津さん悪いが山登りに持ってく握り飯作ってくれん?一人二個ずつ程。」

 

 

「分かりました。すぐに。」

 

 

三津は高杉のお願いに笑顔で応えてセツと広間を出た。その背中を目で追った後に桂もすぐに広間を出た。

 

 

「三津,すまないが私の分も握ってはもらえないか?」

 

 

「いいですよ。いくつ握りましょう?」

 

 

「二つ。」

 

 

三津は分かりましたと頷いてすぐに桂の分も握り始めた。その様子を桂は穏やかな目で見つめた。

 

 

「そんなに見つめてどうしたんです?」

 

 

セツが茶化すように言った。

 

 

「苦しかった時,三津の握り飯に救われたんです。これを食べれば今日も乗り切れるんです。」

 

 

……難しい話なんですよね。今回も。」

 

 

白飯を握りながら三津はその苦難に神経をすり減らす桂を気にかけた。

 

 

「難しい……。多分九一も複雑だろう……。三津には詳しく話してなかったからここで話すよ。

 

稔麿達が京を一旦離れるきっかけになった政変も,我々が力を持ち過ぎるのを抑える為に指示を受けた会津と薩摩により成された事。

 

そして九一はあの禁門の変で薩摩に殺されかけた。敵として戦った相手と我々は今手を組むか組まないかの決断を迫られている。

裏切られる可能性が大いにある。だが他に選択肢もないのが事実だ。」

 

 

三津は唇を噛み締めた。もっと早く聞きたかった。そう言っても仕方ない。大事なのはこれからだ。

 

 

「小五郎さん,これからもそうやって全てを私に話してくれますか?」

 

 

「三津の心に負担にならない範囲で話していくつもりだ。」

 

 

それを聞いて三津は安堵の笑みを浮かべた。

 

 

「ありがとうございます。そうしてもらえた方が信頼されてると思えるので良い関係が作れそうです。

後から聞いて悶々とするより,その時に全て知らされた方が楽なので。」

 

 

全て知らされた方が楽なので

その言葉が昨日入江に言った自分自身の言葉と重なった。そして思わず三津の両手を凝視した。握り飯を作るその手を。

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