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にんまりと笑う桂と苦笑する三津。

にんまりと笑う桂と苦笑する三津。

 

 

『悪足掻きしても無駄なんやろうなぁ……。』

 

 

言い付けを守らなかった事は謝らねば。

 

 

「えっと……。ごめんなさい……。」 https://www.easycorp.com.hk/en/notary

 

 

「許さない。」

 

 

三津の唇を掠め取り,それから何度か唇を押し当てた後に唇を割って舌を押し込んだ。

 

 

「ん……。」

 

 

三津から甘い声が漏れたのを聞いて桂は唇を離した。

惚けた顔で桂を見つめると口角がきゅっと上がった。

 

 

「今日はもう休みなさい。」

 

 

「え?あ……はい。」

 

 

予想外過ぎる言葉に間抜けな声を出していた。何と言うか拍子抜け。

桂はそのまま三津を残して湯浴みしに行ってしまった。

 

 

『お咎め無しならそれでいっか。』

 

 

それでいいんだけど……どこか寂しい。

その寂しさを紛らわすように頭まですっぽり布団を被って目を瞑った。

 

 

桂のいつもと違う反応に脳は混乱しているのかなかなか眠らせてくれない。

布団の中でその混乱と戦っていれば桂が湯浴みから戻って来た。

 

 

息を潜めて隣の布団に桂が入る音を聞いた。隣に居るのに凄く距離を感じた。

 

 

……やっぱり怒ってるんかなぁ。許さないって言わはったもんなぁ。』

 

 

だったら何もせず怒りがおさまるのを待つしかないのかもしれない。

気持ちごと布団に沈めた時だった。

 

 

「三津。起きてるんだろ?」

 

 

……はい。」

 

 

もぞもぞと布団から顔を半分覗かせた。

 

 

「顔を見せて。」

 

 

優しく微笑まれ怒ってないんだと分かり顔を出した。

湯で温まった手が頬を撫でて首筋をなぞり,顎を持ち上げて口付けをした。

 

 

「おやすみ。」

 

 

三津の顔に熱を与えて桂は横になった。

 

 

「おやすみなさい……。」

 

 

熱を帯びたまま,その体をまた布団に沈めた。

 

 

『私は何を期待してたんや……。』

 

 

勝手にそれ以上を期待してたなんて恥ずかし過ぎる。

 

 

ただただ暴れる心臓の音の煩さに眠れずに,そのまま朝を迎えた。

 

 

欠伸を噛み殺し,のそのそと布団から抜け出して身支度を整えた。

桂を起こさないように静かに台所へ。

 

 

『今日は家で大人しくしとこ……。』

 

 

米を炊くかまどの火をぼーっと眺めた。

 

 

「おはよう三津。」

 

 

「おはようございます!早いですね。」

 

 

背後からの声に慌てて笑顔で振り返った。無理矢理作った笑顔は違和感しかない。

 

 

「昨夜はあまり眠れなかったみたいだね。」

 

 

「そんな事ないですよ?」

 

 

別に嘘をつく必要なんてないのに気付けば口が勝手にそう答えていた。

 

 

「三津は嘘をつくのが下手だね。」

 

 

密着するほど近寄って右手のひらで頬を包んで親指の腹で優しく撫でた。

 

 

「すみません,ちょっと寝不足です。」

 

 

弱々しい笑顔で正直に答えると三津の額にコツンっと桂の額がぶつかった。

 

 

「うん,熱はないね。今日は何もしなくていいから家でゆっくりしてなさい。」

 

 

桂は三津の頭を撫でて台所を出た。

 

 

『優しいなぁ。』

 

 

その優しさに表情は解れるもやっぱりどこか寂しくて物足りない。

優しく体調を気遣ってもらえるだけで充分有り難い。今はそう思って気を落ち着かせるしか無かった。

 

 

「じゃあ行ってくる。本当に何もしなくていいからね?」

 

 

「分かりました。行ってらっしゃいませ。」

 

 

取り繕った笑顔の三津の頭を撫でると首筋に吸い付くような口付けをして桂は家を出た。

 

 

「あれ?三津は?」

 

 

藩邸で待ち構えていた吉田はきょろきょろその姿を探した。

 

 

「言い付けを守らなかった罰として留守番だよ。」

 

 

「えっ三津さん来ないんですか?あーあ折角良いところ見せようと思ったのに。」

 

 

何だつまらんと入江はわざと不貞腐れた顔をした。

 

 

「次来た時にすればいいさ。」

 

 

久坂は入江の肩をぽんっと叩いた。

 

 

「君達は何を企んでたんだ?三津から聞いたぞ?悪ガキ共が作戦練ってたと。」

 

 

「三津さんがまだ桂さんが強いって信じられないようなんで,手合わせして見せようと思って準備してたんですが。」

 

 

久坂は残念ですと笑った。

 

 

「なるほどそれで作戦か。手合わせならいつでもするよ。」

 

 

桂は涼しげに笑って後ろ手を振り自室に向かった。

 

 

「桂さん。」

 

 

そこにぴたりと伊藤が寄り添った。

 

 

「鴨川に斎藤が居ました。」

 

 

「斎藤君?何してた?」

 

 

「腕組みして川見てました。それだけです。」

 

 

桂は何だその報告はと笑ったがふと思い直す。

 

 

「それは……きっと彼の私用だね。気にする事はない。

そう言えば……斎藤君は昼から飲み歩くと聞いたが。どの辺りに出没するか分かる?」

 

 

分からなければ調べろ。そう目で訴えた。

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